愛あればこそ

愛あればこそ

宝塚愛をこじらせたヅカヲタの戯言

さらにイケメン度を増しさらに濃さも増したアンドレ特出 ◆ 雪組『ベルサイユのばら』雑感

遠征してきました。雪組ベルばら。まさきさんアンドレ特出。

 

『ベルサイユのばら』 | 雪組 | 宝塚大劇場 | 宝塚歌劇 | 公式HP

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当初は遠征予定してなかったんです。

でもどうしても観ないといけない気がしてミーマイが千秋楽を迎える前日、家族に頼み込んで無理やり遠征をねじ込みました。
 
結果、大正解!ホントに行って良かった。
これ、生で観なかったら本当に一生後悔してたと思う。
 
脚本は...つまらんかった。日帰り2公演しか見ないのに、2回目にして寝た。植爺の悪いところが出ちゃった感満載の脚本だなこれ。雪ファンの方たち通うの大変そう。 
そんな中お披露目えりあゆはがんばってた。壮さんは歌が上手くなって。一幕ラストの銀橋の歌迫力が凄かった。あゆっちはまあ...出番がちょっと少なすぎるかな。娘役をもっと大切に。
 
で。まさきさんのアンドレ。たった2日やそこらの稽古で仕上げてきたアンドレ。私基本、月ベルばらでのアンドレ像をそのまま持ってくるんだろうなーと思ってました。でも違った。月で作り上げたアンドレというスープが時を経て沈殿して、上澄みだけを取り去ってより深く濃くなったアンドレ像に新たな調味料を加えた感じ?(わかりづらいです)とにかく、月ベルばらのアンドレよりもアンドレでした。
演出上、1幕は月ベルばらのアンドレよりも陽気なアンドレ像で、オスカルに対しては密かに思う恋心よりも、近くで守ってあげたいという兄心?のようなものが見えてそこから2幕での毒殺→今宵一夜へ至るまでのアンドレの心情の変化がすごくわかりやすかった。
ずっとこのまま想いを秘めてオスカルの側で生きていけると思っていたおだやかな凪に
突如ジェローデルとの結婚という時化が襲い掛かる。おだやかながら深い慈愛に満ちた一途な愛情から一気に嫉妬、独占欲という泥臭いものがアンドレの中に広がる瞬間がはっきりと見て取れて、演者としてアンドレを演じているのではなく、アンドレそのものになりきっているように見えました。
 
毒殺のシーンは、台本こそ月ベルばらそのままでしたが、オスカルを殺してでも自分のものにしようという狂気、その後の自身の罪を悔い、立場を悟った時の打ちひしがれた感がすごくよく出ていて、それゆえに今宵一夜での「今日まで生きていて良かった...」がリアルで。
 
ただね、特出用に脚本書き換えてあるからか、アンドレを前に出そう出そうという台本の無理やり感というか、継ぎはぎ感は否めませんでした。
 
まさきさんとちぎちゃんの芝居は良かった。同期ならではの息の合い方なのか単に相性がいいのか。ビジュアルもお二人とも浮世離れしてますからね。月のオスアン編の台本でまさちぎ、観てみたいです。
 
プロローグ、フェルゼンが歌い貴族たちの華やかな場面が終わるタイミングで真ん中から真咲さんひとりでせり上がってきます。ちえテル情報からてっきりオスアンでせり上がってくるかと思いきや、おひとりで。ちぎちゃんとのせり上がり観たかったので少し残念でしたが。
せり上がってから舞台の演者が一斉にはけて、あの広い舞台がまさきさんの独壇場になるわけです。他組さんの舞台、それも大劇場の舞台でたったひとりせり上がり、銀橋を渡り「愛あればこそ」を歌い上げるまさきさんはまさしく“特別出演のトップスター”でした。なんかすごい人贔屓にしちゃったな。そんな気分。胸熱。
 
そして2幕。
今宵一夜前でオスカルと二人、窓の外を眺めながらオスカルの肩に手を置くシーンがあるんだけどこの手ですよ、手!!!強くもなく弱くもなく俺の手はここに置くためにあるんだと言わんばかりの抱き方なんですよ。すっごい、愛。やだ私も肩抱かれたいです。うそです。そんなんむり。死ぬし。
ちぎちゃんだって「まさおかっこいいとか。聞いてないし。やだこれむり。死ぬし。」とか思ったからそっと腕を逃れたんでしょ。わかるよ。大変だったね(それただの演出だと思います...)。
 
で、肝心の今宵一夜。
月アンドレではしなかった。ちぎカルに手を差し伸べて優しくちぎカルの手を取ってあげるの。愛あればこそを歌ってからオスカルを優しく抱き、手を取りキスをする...直前までは本当にこんなに優しくキスしてくれる人いるんだ!と思うくらい優しいのに、いざオスカルの顔を手に収めてロックオン状態にした後吸血鬼に豹変wwww。しかも助走つける。キスに助走。かなりの助走。あれ、オスカル超ビビったと思うよ。ちぎちゃんごめんなさい(誰)。
カーテン閉まるの早い、という声が聞こえてきましたがあれは助走つけすぎなのが悪い。雪組の進行さんはいつものとおりにカーテン閉めただけだよ。冤罪。ほんと申し訳ありませんでした(だから誰)。
 
あ、今更ですが、鬘も月アンドレとは少し変えてきていました。月アンドレ、最近髪少し切った?な感じ。それがですね、本当に超絶イケメンなんですよ。月アンドレも過呼吸になりそうなほどイケメンだったのですが、私基準ではそれを超えてきましたよ、あのお方。ただ。メイクは濃かった。かなり濃かった。はりきりまさきが顔を出しちゃったんだねー。ほんとこういうところ愛おしい。特出ではりきっちゃうまさきさんわかりやすくてほんとかわいい。
 
長くなってますよね、スミマセン。まだまだ言い足りないけど最後にこれだけは。
 
フィナーレ「小雨降る径」これビジュアル最高です!!
 
初舞台生が銀橋を渡りきる前に大階段を降りてきてスタンバるんですが、そのスタンバってるときのシルエットの美しさといったら...もう芸術品というか、神が創りたもうた奇跡というか、ホントにホントにホントにホントに、美しい。...ただね、これ、DVD化されたとしても、まだ銀橋を初舞台生が渡っている途中なので、きっと映らないと思うんです。ここだけは「龍アングル」なんとかしてほしいです。TCAさん。ダンスが始まってからもドSイケメンというか、もう龍真咲ファン堪んない。眉間にシワ寄せるわ見下し系の表情するわ怖いくらいに真顔でちぎちゃん見つめるわ。たまらん。ほんと。当初はこのデュエダン歴代のダンサーたちが踊ってきたので一抹の不安はあったのです。が。そんなちっぽけなこと吹っ飛んだ。
 
「THE・龍真咲」最高でした。
 
つい数日前まではビルを演じていたまさきさんがたった数日のやっつけ稽古で完璧にアンドレを演じている。龍真咲の舞台人根性を見た気がしました。決して天性の才能ではない、人一倍努力して苦労して身につけ開花させたもの。だからこそ龍真咲はあんなにキラキラと輝いているんだな、とつくづく思った公演でした。
 
最後に。こちらをお借りして。
雪組のみなさん、そして雪組ファンのみなさん。
まさきさんの濃いメイクとか、まさきさんの濃い台詞回しとか、まさきさんの濃い歌とか、なんかいろいろとスミマセンでした。普段慣れていらっしゃらない分とてもびっくりしたことと思います。それなのに龍真咲を、そして私たちファンを暖かく迎え入れてくれたこと、本当に感謝しています。割と本気でそう思っています。ありがとうございました!!!(だから誰!!!)