愛あればこそ

愛あればこそ

宝塚愛をこじらせたヅカヲタの戯言

ヤンみきの傑作を宙組がどう演じるか ◆ 宙組『メランコリック・ジゴロ』雑感

ホントびっくりした。

冗談も大概にしてよもおっ!!!(背中バシバシ)
トップスタートップ娘コンビ全ツ周ってるの!
斬新革新的柔軟な発想
さすが宝塚新世紀を迎えただけありますね!!?!

...え?普通?いーやいやいやいやいやいやまたまたご冗談を(笑)
え?え???...あ、そうなんだ。普通なんだコレ。
いやあ月組界隈では超常現象ですよコレ(まだ相当根に持ってるんですね)。

 

宙組公演 『メランコリック・ジゴロ』『シトラスの風III』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

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『メランコリック・ジゴロ』観てきました。

ハリー・正塚はこんなにおもしろいものも書けるんだよ!!!食わず嫌いしないで一度観てみて!!!と「正塚先生の作品はどうも暗いしハードボイルドな男心は私にはわからないしまあ気持ちよく眠れはするんだけどね...とりあえず今回はパスで。」言ってるそこの女子に声を大にして言いたい。

ほんとこれ傑作だと思う。大好きな作品。前の記事にも書いたけど演者の個性をちゃんとわかっている座付演出家が個々の演者にアテて脚本を書いて演出するとこんなにも素晴らしい作品になるんだ、という最高のサンプル。

ヤンみきの時代の花組は細々と観ていて。なつめさんの花組とはカラーががらっと変わった花組。ヤンみきがいてみはるがいて花組の個性が光ってた。

そんな花組にアテて書いた作品『メランコリック・ジゴロ』。ジゴロを気取りながらもどこか根は真面目で優しいダニエル(安寿)とお調子者で自分勝手だけどなぜか憎めないスタン(真矢)と「おにいちゃんおにいちゃん」言ってるだけで可愛らしい、疑うことを知らないフェリシア(森奈)。意外な個性を引き出してくれた(と私は思った)なよくて優柔不断な弁護士マチウ(愛華)。細かい小芝居おもしろかった。そしてほんとおバカで居るだけで笑いを掻っ攫う“一発バカ”バロット(真琴)は父フォンダリ(未沙)と妻ルシル(詩乃)と三個一で。そうそう、スタンの恋人ティーナ(華)を忘れてはいけない。スタンとティーナのやり取りがホントかわいかった。オペラ泥棒ヨーコちゃん。今やナウオンの司会をやるようになって。

 

再演の真飛さんバージョンは観ていない。なのでヤンみき以来のメラコリ。まぁさまとみりおんのコンビはなんとなく想像がつくんだけどまぁさまと真風ってどうなんだろ。『王家-』観たけどあれはほとんど絡まないからね。『メランコリック-』は息が合わないとあのテンポいい芝居はできないと思うんだけどどうなんだろ。なんせヤンみきを受け継ぐわけだからね...

と思いながら客席についた。わけです。

 

はい、ここから本題。
相変わらず前置き長い。

まず、よく配役確認しないで行った私が悪いけど、うららちゃんがティーナじゃなかった。ティーナだと信じて疑わなかったから最初バロットとペアでうららちゃん出てきて「あれ?ティーナとこんなシーンあったっけ?」くらいに混乱。なんだルシルなんだ。でもうららちゃんの持ち味には合ってる。ついでになるべく演者の持ち味に合わせてアテ書きに近い配役を序列排除して全ツメンバーでするのならばまぁさまにはスタンを演っていただきたかった。じゃあダニエルは?うーーーん。まかぜではないな。まかぜはバロット、かな。あっきーの演ってた刑事でもいいかも。ダニエル...今回のメンツの中でなら強いて言えばあっきーかな。ちょっと真面目で優しい色男。

ティーナ演ってた子、95期なんだね。宙の下級生あまりわからんくて。彩花まりちゃん。とてもよかった。ヨーコちゃんはホント出てくるだけで目を奪われるおバカでキュートなティーナだったけど彩花まりちゃんはちょっとヤンキー美人なティーナ。あ、おバカには変わりない。好演。

そしてみりおん。あまりにもみはるの当たり役だったしみりおんの持ち味とは少し違うからどうかなーと思ってた。でもみりおんフェリシアこれはこれでありだな。グズな女の子にはちょっと見えなかったけどみりおん的真面目要素で真っ直ぐすぎて守ってあげたくなる系女子。みはるはもう素直すぎて可愛すぎて誰でも放っておけないだろうくらいの説得力あったからな。アテ書きだからあたりまえだけど。

 

しかし全ツゆえだからか演者がみんな働く働く。最初みりおんが重たそうなカウンターうんしょこらしょと押して出てきたときはどうしたことかとwwww盆セリがない(ことをデフォルトにした)全ツの舞台だからこそ演者がみな大道具運ぶ運ぶ。そんなところにも笑いが起きる。

そんな楽しい舞台も最後のまぁさまにすべて持っていかれる。

 

「おまえが好きだ!!!」

 

でたよ。朝夏まなとの十八番出してきたよ。「日々チャラく生きていますがキメるときはキメに行きます朝夏まなとです。」“おまえが好きだ!!!”の文字をデカデカとペイントした街宣車で拡声器持って演説したらいいよまぁさま。街宣車が通り過ぎた轍に沿うように女たちの屍がバッタバッタと積み上がるから。

 

なんでも初演が一番。ダニエルとスタンのコンビはヤンみきを超えられはしないと思うしフェリシアのピュアで天然な可愛さはみはるの右に出るものはいないと思う。だってアテ書きだもん。仕方ない。でもちゃんと宙組版『メランコリック・ジゴロ』になってた。本当に楽しい舞台でした!

 

 

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wheat.hateblo.jp