天海祐希氏のお茶会が凄かった話
まさきさんほんとに痩せちゃって。
トップスターの激務が目に見えるようでどうしても親心で心配してしまう。
そんなときふと天海祐希さんを思い出しました。
現役当時はそのクールな所作やファンへの対応から「早期に抜擢されたからって天狗になってんじゃないよ」くらいには「私天海さんキライ」言ってたんです(天海さんスミマセン)。実際、東宝で出待ちを見たことあるのですが、塩もいいところ。海塩なんてもんじゃない。ガッチガチの岩塩。ファンをろくに見ない。手も振らない。ほぼ素通り。
当時は今みたいなお行儀のよいギャラリーばかりではなく、ファンクラブの方たちが文字通り“ガード”してました。腕を組んでスクラム作って後ろからなだれ込むギャラリーから贔屓を守るがごとく。ちょっと盛りましたけど(てへ)。でもあれじゃケガする人がいてもおかしくないくらい。そんな健気なファンの方々の前をほぼ素通りする。
まあ日々通って出待ちを見ていたわけではなく、たった2日3日でのことなのでたまたま虫の居所が悪かっただけなのかも知れませんが。
でも私はそんな天海さんがどうしても好きになれなくて、天海さんのトップ時代の作品は観に行きませんでした。
で。
ほんとについ最近です。とは言っても2~3年前。
漁っていた動画の中に天海さんのお茶会映像を見つけて。
どうやら現在は削除されてしまっているようでもう見つけられないのですが。
見ました。食い入るように。
凄かった。(ボキャ貧)
凄かった。(ボキャ貧その2)
目からウロコがぽろぽろと。まさきさんの言うところの「目ウロコ」。
惚れた。
人間に惚れた。
男役として、舞台姿に惚れるか、と聞かれたらそこは「うーーーん」と言わざるを得ないけど(まあかっこよかったですけどね。単に私のタイプではないということで)天海祐希という人そのものに、惚れた。
思ったとおり、終始ファンには媚びない。ある意味塩対応。
でも、話していることそのものはもしかしたら誰よりもファンを思っているようなことで。
もう映像がないのでうろ覚えのまま書きます。
お稽古待ち時間について
出待ちは22時以降禁止にします。
若い女性がそんな夜中までうろうろしているのは危ないしそんな危ない思いをしてまで待っていられるとこっちも稽古に集中できないから。その分お茶会では必ず握手もするし写真撮影もします。だからちゃんと守って。
客席での拍手について
自然と、したいと思ってしてくれる拍手はとても嬉しい。でもあの“爆竹拍手”はやめて。気持ちいいものではないから。
お茶会での段取りについて
(写真撮影でのろのろ動いてるファンたちに)テキパキと動きなさい。さっさと終わらせればその分たくさんお話しできるんだから。
ファンからの手紙について
(『エールの残照』のラスト、銀橋でヨシコちゃんを担いで渡る場面に対し劇団に「やめてあげて」的手紙が届いたことに対して)私が出来ると判断したからやってるの。無理なら無理と言うから。だからそんなくだらないこと心配してないで私の舞台を観て感動してください。
こんな感じだったかな。
ほんと、衝撃的だった。
下からお願いする感じではなくて、「こうして」って上から仕切ってる感じ。でも言ってることはすべてが至極当たり前のことで。だから見ていて全く不快感はない。それどころか凄くすっきりした後味。
そしてそんな天海さんは退団時、派手なパレードや自身を飾るためにはお金を使わずにファンの方全員に記念のワイングラスを作って贈られたとか。
素晴らしい。
さすが、植爺をして「お母様、産んでくれて感謝します」と言わしめただけある。まあさすがに自分の好みだけで羽根背負わなかったのはどうかとは思うけど。そんなことを差っ引いても。
天海祐希、すごい。
いや、冒頭に戻ると、ファンの余計な心配ってもしかしたら自身の舞台への集中力を欠くことになってしまうんだと銀橋渡りへの余計な心配に対する天海さんの苦言を聞いていて思ったんです。
確かに、プロの舞台人に対して身体の心配するってすごく失礼なこと。大工の棟梁に向かって「カンナで指切りそうで危ない!見てられない!」言ってるようなもん。
宝塚って演者もファンも独特の距離感、独特な関係性を持っているので、贔屓が痩せ細ればどうしても心配してしまう。でもそれはファンとしてきっと普通の感性。だけどそんな心配は自分の胸にしまって、不必要に騒ぎ立てることではないんだとちょっと反省しました。いや、騒ぎ立てたことはないですけどね。
まさきさんだってプロの舞台人。自身の体調管理は私たちに心配されようがされまいがプロとして完璧にやっているはず。だから、まさきさんの体調よりも舞台でちゃぴに弄ばれてボロボロにされるまさきさんを心底心配しようと思いました!!!