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愛あればこそ

宝塚愛をこじらせたヅカヲタの戯言

研7同士のデビュー(初主演)作 ◆ 宙組『Je Chante-終わりなき喝采-』

 

バウ・ミュージカルJe Chante-終わりなき喝采-
宙組バウホール 2010年3月18日~3月29日
作・演出/原田諒
主演/凪七瑠海・花影アリス
 

『Je Chante(ジュ シャント)』 | 宙組 | 宝塚バウホール | 宝塚歌劇 | 公式HP

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カチャ(凪七瑠海さん)のバウ初主演作。CSで捕獲。
 
今回の月組公演『舞音』『GOLDEN JAZZ』で番手が下がってしまいましたがこの時はまだ前途洋々だったのかな。研8?ぎりぎり研7か。でのバウ主演はまあまあの出世だよね。同期の明日海さんですらバウ単独初主演は研9。まあタイミングが合わなかっただけなんだろうけどね、明日海さんに関しては。ちなみにまさきさんもバウ単独初主演は研9。最近は早期抜擢も多くなってきて新公学年でバウ主演が普通になってきてはいるけど。
月組エリザベート』にタイトルロールで特別出演を果たし、続いて『カサブランカ』で新人公演初主演を張った後のバウ。きっとカチャにとって特別な一年だったんだろうな...今にしても。
 
作・演出は原田諒先生。
この作品がデビュー作です。
 
2003年入団の原田先生はカチャと同期生。同期生の主演舞台で演出家をデビューさせるのは劇団の粋な計らいなんだろうか。今回の礼真琴さん主演の『鈴蘭』も同期生の樫畑亜依子先生のデビュー作だし。畑は違えど同期入団でやっぱり多少は気心知れてるからお互いによりいいものが出来そうですよね。
 
 
で。感想。
 
原田先生、デビュー作とは思えないほど落ち着いたちゃんと筋が通った舞台でした。
小柳先生とか生田先生とか、デビュー作は拘りと夢を詰め込み過ぎちゃってひっちゃかめっちゃかになってるイメージがあっただけに原田先生はちゃんと俯瞰して書いてる感。素晴らしいです。例に出しちゃってごめんなさい小柳先生、生田先生。全く他意はありません。
 
実在の歌手、シャルル・トレネの半生を描いたお話。
映画の撮影所で小道具係をしていたシャルルが大女優の付き人ジジと恋に落ち、撮影所を辞めて歌手になった途端に徴兵され、兵役を終えて戻ったらパリはナチスの支配下にあり、大女優になっていたジジはナチスの将校ゲオルグ春風弥里さん)の愛人になっていて、でもジジは本当はユダヤ人で、ナチスから身を隠して逃げようとする矢先シャルルを庇ってゲオルグに撃たれてジジは死んでしまい絶望の淵に立たされるシャルル。そんなシャルルの半生をシャルル自身が振り返る話。相変わらずあらすじ雑。すっ飛ばす。スミマセン。
 
ジジを演じたのは花影アリスさん。カチャより1学年上の研8。彼女はタイミングさえ合えばきっとトップ娘になっていただろうに娘役って本当にタイミングが大事なんだなあと思わされた方のひとり。
一幕のまだ若いジジを演ずるには少し無理があったかなーと思いつつ、二幕の大女優としての上品な佇まいは絶品でした。
付き人として仕えていた女優ミスタンゲット(美穂圭子さん)との微妙な関係性はちょっとジジ側からは伝わり辛かったけど、ゲオルグとの(ジジからは)愛ではない打算と諦めが入り混じったような関係性はよく伝わってきました。
 
そのナチス将校ゲオルグを演じた春風弥里さん。この人に悪役させると堪らんですね。クズ系の悪役ではなく信念を持って一本筋の通った系の悪役が良く似合う。ユダヤ人を迫害すべく自身の使命を全うしようとしながらも心の奥底ではジジへの愛で揺れる。ジジの逃亡を阻み、謝ってジジを撃ってしまう場面でのゲオルグの苦悩が痛いほど伝わりました。
 
そして、大女優ミスタンゲットを演じた美穂圭子さん。この人は歌の人と言われがちだけど実は芝居の人でもありますよね。大女優のプライドを持ちながら厳しく付き人・ジジを使う中に隠しきれない愛情が見てとれる。自分を悪者にしてでもジジを女優として表舞台に立たせたいという愛。結果ジジの人気により自身の人気が翳ることになっても変わらぬ愛情でジジの逃亡を手助けする。その背景にあるジジの父親との関係性が(回想場面があったにせよ)よくわかる丁寧なお芝居で感動しました。
 
 
で。カチャ。
 
アテ書きだけあってすっごく似合ってた。裏のないまっすぐな青年役。冒頭のニッカーボッカー姿がかわいい。歌手デビューの時のピンクチェックのスーツもかわいい。ホントこういうの着せるならカチャだね。
で、そんなかわいい風貌でキレのいいダンスとか踊ってる。かと思えば今度はジジと雨やどりしてなんかもじもじしてる。こういうカチャほんとかわいい。そりゃジジも「今は降りやまないでほしい」言いたくなるわ。ジジが変わっても時代が変わっても自身が有名な歌手になってもまったく変わらないシャルル。雨やどりで歌った「ラメール」。シャルル・トレネさんの歌。聞きなじみのある歌をすごく甘く歌い上げていて。
カチャ良かった。できるならもう一度真ん中に立つ姿今度は生で観たいなあ...
 
 
ただ。
 
ジジの最期。逃亡の前段で撃たれて死ぬのではなくてシャルルと一緒に南フランスのシャルルの故郷まで逃げ延びてシャルルがジジに見せてあげたかった地中海の青い海を二人で眺めるところまでは生き長らえさせて欲しかった。せっかく出会いの場面と再会の場面で伏線的にそれらしき台詞を語っているのだから。青い海を眺めながらシャルルの腕の中で幸せそうに息絶えるジジ、の方が画的にも綺麗だったような気が...するけどシロウトの言うことだからね、うん。
 
 
フィナーレ、カチャの出番はデュエダンだけ。キラキラの白燕尾、ほんとカチャの小顔頭身が着ると動くフィギュアのようで美しかった。アリスちゃんとの絡みはもはやただのメルヘンだし流れるようなダンスにも惚れ惚れ。なんだけどカチャはワタシ的には男臭いクッサクサのダンス踊ってくれた方がカチャ様!!!かっこいい!!!と心臓ぐわし持っていかれるのです。だから黒燕尾も踊って欲しかったなあ...真ん中で。
 
 
 
 
このタイミングであえて『舞音』感想はスルーします。中日過ぎもしくは大劇場楽を観ていろいろ腑に落ちてから書こうかと。