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愛あればこそ

宝塚愛をこじらせたヅカヲタの戯言

難解なパズルを解くような作品でした ◆ '07・月組『A-“R”ex』

『A-“R”ex』-如何にして大王アレクサンダーは世界の覇者たる道を邁進するに至ったか-
月組梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 2007年12月14日~12月26日日本青年館大ホール 2008年1月7日~1月14日
作・演出/荻田浩一

  

TAKARAZUKA REVUE 公演案内

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ほんっとにオギー(荻田浩一)ってシビ(矢代鴻)さん好きですよねー。シビさんが歌ってりゃだいたいオギーの法則がここでも成り立っていました。特にこの作品はシビさんの退団公演だしまさおちゃんで言うところのダイスケばりにはオギーにとってはある意味ミューズだったんだろうなーシビさんは...というかオギーに至ってはこの後すぐに自身も退団してしまったのでなんならダイスケ以上に拗らせていたのかもしれない(想像)。

オギー演出のショーはだいたい観ておいてソンはないやつだしわたし的には大好物なやつばかりなんだけどかたや芝居の方は...って決めつけてしまうにはまあマトモに見たのはこれがたぶん初めてだからなんとも言えないけどもうわたしのうっすい頭にはなかなか理解まで行き着かない、なんというか口語体で書かれた古典文学を読み解いているような、脳をフル回転して集中して2度見てやっと話の筋が見えてくるくらいの作品で、モブのくせにドレッドヘアで無駄に華のあるかわいくてイケボなまさおちゃんが要所要所に箸休め的に顔を出してくれるおかげでなんとか最後まで見れたようなもんです。

龍真咲出演作品なので前から録画してあったしまさおちゃん場面を舐めまわすだけではなくてちゃんと全体を鑑賞しようと今まで何度か試みはしたんだけど二幕物だし難解だしで途中で集中力が途切れちゃって半ばで離脱するのが常だったのでこのたびやっとのことでゴールまでたどり着いたわけです(達成感)。

 

紀元前356年、ペルシアとの戦争に疲弊したギリシア世界。辺境の地マケドニアの王子として生まれたアレックスは、混迷するギリシアを統一しようとしていた父王が頓死し、決断を迫られる事となる。即ち、父の後を継いで戦争を続けるか、否か。そして、そこには様々な人々、もしくは神々の思惑があった。例えば、母オリンピア。父王の存命中には、夫と対立して戦争を批判していたものの、途端に掌を返したように、息子の栄光と帝国の繁栄の為に戦争を推奨する。または、女神アテナ。ギリシア世界の盟主たる都市国家アテナイの守護神たる彼女は、もう一方の盟主国スパルタの守護神ポセイドンと結託して、今まで顧みることのなかった辺境マケドニアの王子を、ギリシア世界復権の旗頭にしようと企んでいる。女神は、思い悩むアレックスの前に、自らの使いを差し向ける。アテナの使者、彼女こそ、勝利の女神ニケ。アレックスはニケと恋に落ち、彼女が指し示す道を進もうと決意する。だが、その道のりこそ、凄惨で苛烈な戦線に他ならず、二度と故郷に戻ることのない遠征の始まりだった。誰もが、彼を戦場へと駆り立てる。彼は迷うことなく、戦地に赴くようになる。エジプト、ペルシア、インド。彼の旅は止め処なく、果てしない。
20歳でマケドニアの王位に就いたアレックスが、紀元前323年、32歳の若さで他界するまで。その、彼が駆け抜けた束の間が、様々な混交の中で浮き彫りにされていく。

 これ公式のあらすじなんだけど、もうこの文章だけでおなかいっぱいというかわたしには分不相応過ぎて遠慮したくなります。やたら長い副題の「如何にして大王アレクサンダーは世界の覇者たる道を邁進するに至ったか」ってのも「世界の覇者になったか」でも「世界の覇者たる道を邁進したか」でもなく「世界の覇者たる道を邁進するに至ったか」っていうほんと回りくどくてそれだけでも混乱するのに展開はなぜか劇中劇風に進むしもはや見る者にケンカ売ってんのかくらいにはわざと難解にしている感否めませんでした(自分の頭の悪さを棚にあげつつ)。

 

そして全体的に宝塚らしくない、小劇場のストプレを観ている感覚に陥るような作品だったけどあさこさんの男役としての完璧なるかっこよさをもってしてゆえに宝塚の舞台であることを気づかされる、そんな作品でした。王族(人間)チームのあさこさん、シビさん、バンケイさん。対する神様チームのみほこちゃん、きりやん、タキさん。皆がいろんな思惑の中でアレックスを戦場に導くんだけど、見方によってはアレックスの一人芝居で他の人物(神)はすべてアレックスの頭の中にアレックス自身が作り出した空想の産物なのかも...とも思えるそんなアレックスの孤独を感じたりもしました。ずっとアレックスに寄り添っていた勝利の女神ニケを演じたみほこちゃんが最後アレックスの結婚相手ロクサーヌとしてアレックスを幸せな死に導く、その場面だけがアレックスの唯一のリアルだったのかなーとも思わされてこのエンディングに至ってやっと(なんだよいい作品じゃないか...)と思いました(遅い)。

 

われらが龍真咲さんはまあモブだったけどモブなりには目立つ役だったし一曲ソロをもらってたわけだけどいやあほんとこの頃からほんとイケボだし歌うまいですね(贔屓目)。ロングドレッドのヒッピー風衣装も短髪編み込みの迷彩服もどっちも無駄に腰の位置が高いしほんと眺め倒すにはさいこうの尻をしていてほんと期待を裏切らない龍真咲さんさいこうのやつでした(下素顔)。

 

『A-“R”ex』っていう、ほんとうならアレクサンダーは「L」なのに「R」にしてこんな不思議な表記にしたのは「a Rex(ひとりの王)」っていう意味を含ませてるんだということを知ってほんとオギーめ...としてやられた気分です。なんだかんだ結局もういっかい見たくなる、不思議な作品だわこれ。