愛あればこそ

愛あればこそ

宝塚愛をこじらせたヅカヲタの戯言

いい意味で期待を裏切られました ◆ '17・雪『琥珀色の雨にぬれて』

ミュージカル・ロマン琥珀色の雨にぬれて』

全国ツアー 2017年8月25日~9月18日
作/柴田侑宏
演出/正塚晴彦
主演/望海風斗・真彩希帆

雪組公演 『琥珀色の雨にぬれて』『“D”ramatic S!』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

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プレお披露目がこれかよーーー。だいもんはともかくまあやちゃんにいきなりシャロンは荷が重すぎるだろうしだいたいお披露目くらいもっとフレッシュな作品当ててやってくれよ劇団!前任のプレお披露目*1なんてあんなに夢々しくてラブリーだったじゃんかよおおおおお!!!くらいには演目が発表された時にちょっとお怒り気味だったんだけどまあなんだかんだ柴田ホイホイとしてはやっぱりほいほい観に行ってきました。

わたし柴田作品だいすきで、でももしかしたらやっぱり時代の移り変わりってあるのかなーともここ最近は思うところがあって、現役時代まさきさんのよく言っていた「伝統は大事、でも革新も大事。」っていう、いわば温故知新な精神が宝塚にも必要だと思っているので、まあ何が言いたいかと言うと、今の宝塚には柴田作品は少し色褪せてきたのかなーという感じが最近はしてたんだけどでもそういう意味では逆にだいきほが演ることで一気に作品が色づいたような、そんな不思議なマッチ感がありました。なんというか...いい意味でのちょっとしたレトロ感ありません?だいきほコンビって。まあこれからのコンビつかまえて何言ってんだって感じだけど。

そんなわけで、結果なかなかに満足して帰ってきたわけだけど、やっぱり柴田作品に必要なものって演者の色気だったりすると思うので、そう思うにつけまさきさんトップ時代に柴田作品が回ってこなかったことが悔やまれてなりません。特に今回の作品なんて、後期のまさちゃぴに演らせたらピカイチだったと思うんですよね。まさきさんのありあまる色気と、ちょっと大人びてきたちゃぴとで観たかった柴田作品No.1たっだりするんですよ...今からなんとかなりませんかね?(※なりません)。

 

フランソワーズ(星南のぞみ)

やっぱりりさにはセリフ喋らせちゃダメだ......天は二物を与えなさ過ぎだろ......それでもやっぱりあの美しい顔面を見ているだけで宝塚の娘役さんを満喫した気にさせてくれるので結局オペラで覗くのは大概りさなんだけどそれでもやっぱり耳が身構えちゃうんだ...そしてもちろん歌も歌わせちゃダメなやつだしな...ほんともったいない。

クロードに一番に愛されていないこともわかりながらそれでも諦めきれない恋心と、シャロンには絶対に譲りたくない対抗心とが拮抗していてでも自分でも捌ききれない感情を持て余している感じが全く伝わってこなくて...前回星組の音波みのりちゃんはその辺上手かったからか余計にもの足りなさが残ってしまった感がありました。だけどかわいいからしょうがない。ほんとかわいいは正義だな。

 

ルイ(彩凪翔)

しょうくんが歩けば女どもがばったばったと財布を出しながら倒れていくようなあれ正真正銘のジゴロだったよ...(しろめ)。わたしがシャロンだったら迷わずクロードよりルイを選ぶわ...と思うのでやっぱりわたしはダメな男に弱いんだなーと再認識させられました。ジゴロのくせに、あれだけのイケのくせに、シャロンを思う気持ちはすっごく一途だし、恋敵クロードにも最後まで紳士に対応する感じといい、シャロンの気持ちが自分にないことをわかりつつも傷ついたシャロンを受け止めるその懐の広さといい、やっぱりルイってさいこうの男じゃない?いや、ほんと当たり役だったし、すっごいイケでした、しょうくん。

 

シャロン(真彩希帆)

98期、研6にしてその落ち着きっぷりにびっくりしました。もともとまあやちゃん大人の色気を含んだ声をしているので、だからうまくこの役に合ったのかな。でもやっぱりプレとはいえ最初で最後のお披露目公演はもうちょっとフレッシュな役あげて欲しかったなー(しつこい)。大人なファムファタルの役だからか、まだちょっと役を掴み切れていない感はあったし「お嬢さん」ってセリフを発するにはやっぱり少し幼さが残りはしたけどでもよくがんばりました(親心)。しっかし、冒頭の森の場面で歌う歌がほんと鈴を転がすような歌声ってこういうことを言うのね...と思うくらいには美しい歌声でした。

 

クロード(望海風斗)

だいもんもお披露目なのになんだけど、だいもんは逆にフレッシュさを求めるよりこういうちょっと渋みと色気のある役のほうが合っていると思うし、クロードのイラつくくらいの純朴さはだいもんゆえに出せると思うので、だからこの演目で納得させられました。トレンチコートにソフト帽っていう、宝塚の男役に着させたい衣装の5本指に入るような衣装で宝塚屈指の美声を轟かせて板の上を練り歩くその姿はもう一端のトップスターでした。なんというか、贔屓がこう、いつでもナナメ上を歌うような人だからか正統派の歌に慣れていないこともあって、ちょっと物足りなさを感じてしまうのはもうまさおファンのいけないところだと思ってスルーして欲しいんだけど、それでもやっぱり極上の歌声でした。

 

*****

 

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松戸・森のホール21、今回初めて訪れたんだけど音響がすっばらしいですねー。開演アナウンスが始まった途端その音響の素晴らしさにびっくりして思わず劇場内見回しました。ただ音響が良すぎるからなのかショーやコンサートを楽しむにはさいこうの空間だけど、逆に芝居を楽しむにはちょっと不向きかも...と思うくらいにはセリフの声がちょっとハウってしまっていて、だからところどころセリフが聞き取れないところがあったのが残念だったかなー。でも本当に音響は素晴らしかったのでいつかまさきさんの歌声をこのホールで聴いてみたいなーと思ってしまいましたっていう、結局エンディングは安定のまさお脳で終わるんですけどもう病気みたいなもんなんで生温くスルーしてください。

 

ということで...

 

望海風斗さん、真彩希帆さん、
トップご就任おめでとうございます!

 

 

wheat.hateblo.jp

 

*1:『伯爵令嬢』