愛あればこそ

愛あればこそ

宝塚愛をこじらせたヅカヲタの戯言

ちゃぴこのかわいさが途轍もないやつでした ◆ '17・月組『All for One』

浪漫活劇(アクション・ロマネスク)『All for One』~ダルタニアンと太陽王

宝塚大劇場 2017年7月14日~8月14日 / 東京宝塚劇場 2017年9月1日~10月8日
脚本・演出/小池修一郎
作曲・編曲/太田健 編曲/鞍富真一・大貫祐一郎 
音楽指揮/佐々田愛一郎(宝塚大劇場)・西野淳(東京宝塚劇場
振付/御織ゆみ乃・若央りさ・桜木涼介・KAORIalive・鈴懸三由岐
装置/大橋泰弘
衣装/有村淳
照明/勝柴次朗
映像/奥秀太郎
主演/珠城りょう・愛希れいか

月組公演 『All for One』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

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ちゃぴこ可愛かったあああああっ!!!ちゃぴこのかわいさを存分に味わうにはあまりにもさいこうの舞台でした。ほんっと、トップ娘歴5年半というキャリアをして未だにこういうべりーきゅーとなプリンセス的出で立ちが似合ってなおかつ有り余るほどのかわいさを醸し出してくるまなきさんにはもういろんな感情を通り越してただただ感服せずにはいられないしやっぱりわたしちゃぴ好き...って白旗挙げざるを得なかった、そんな観劇でした。ほんと、このポスター解禁になったときは(ちゃぴこよ、いったいおまえはどこに向かっているのだ...)くらいには迷走感たっぷりでなおかつ裏トップみ満載だったので宙組に引き続き月組もとうとうトップ娘不在になるのか!?!!?くらいにはいろいろ心配してたんだけど結果蓋を開けてみたらなんだよこんなにキュート極まりないちゃぴこが見れるんなら最初からそう言ってくれよ...水臭いよイケコ...(おまえ誰だよ)くらいには小池修一郎氏をハグしたい気持ちになりました。

どこぞの某谷先生とは違って(濡れ衣)(でもないぞ...)べったべたくらいにはベタだけどそれでもわかりやすいストーリー展開と勧善懲悪的すっきり爽快なエンディングでリズミカルに進むお芝居はほぼストレスフリーに楽しめて、まああえてストレスを探すとするならばなんとなーくジェンダーが邪魔をする感は否めなかったのだけれど、まあどこぞのu爺に比べればこれくらいかわいいもんなのでその辺はあまり深く考えずに楽しみました。とはいえ、これだけ軽いストーリーなんだからできれば一幕物にして欲しかったのは事実。これで二幕はちょっと間延びしすぎ感が残りもしました。

そしてすっかり龍真咲さんの残像が消え去った舞台で今度はたまきがしっかりとゼロ番を守っている、そんな月組になっていてやっぱりちょっと淋しさはありつつもなんだか親心的に安心もしました。前作のお披露目*1は群像劇だったこともあり加えて研9で就任したばかりの心許なさもあったからかたまきのトップ感がちょっと見えづらかったんだけど、今回はなんだかちゃんとトップさんしてて、ああだこうだ言いながらもやっぱりたまきすごいなーと思わされたんだけど、ただ、そのゼロ番の位置にもうひとり、愛希れいか様がラスボス的にお控えになっている感が見え隠れしているのが容赦なくわたしの背筋を凍らせにかかるやつでもありました...(悪寒)。

前作*2ではまったくと言っていいほど日の目を見なかった盆せり銀橋の仇を取るべくしてここぞとばかりに酷使した舞台機構使いはさすがの小池せんせーだけあって無駄がなくて素晴らしかったし、二幕ものにおける一幕終わりの演出はスカピンや1789を彷彿とさせる既視感はあれども二幕への期待を否応なしに高めてくれるやつでわくわくしました。デニムを使わせたらこの人に右に出る者はいないってくらいの有村先生のお衣装もやっぱりとてもスタイリッシュでかっこよくて、同じ三銃士ものでも衣装によってこんなにも見え方が変わるんだなーと今や問題作として名高い『仮面の男』を思い出したりして、観劇意欲を満たすには充分すぎる良き作品でした。

 

モンパンシェ侯爵夫人(沙央くらま)

ルイが生まれた時からお嫁さんになることを夢見てずっと一途にルイだけを思い続けてきた10歳年上の従妹。お色気むんむんなのにそれがうまく作用していない系熟女で、面白おかしく描いてはいるけれどわたし的には『PUCK』のヘレンの10年後みを感じるような一途でまっすぐなかわいらしい女性に見えました。唇の近くに描いたほくろがすっごくセクシーみを増していて、コマちゃんの素地の美しさと相まってあまりにも美女でした。

 

ポルトス(暁千星)

ありちゃんももう研6?になるんだね...月組配属当時から見てきているからかその健やかなる()成長ぶりが嬉しかったし大酒飲みで力持ちのポルトスをありちゃんの若さでうまく演じていると思いました。『バラの国の王子』のきりやんみがある被りもので大岩を投げるシーンはそれでもまだ未熟さが残る芝居になってしまっていたけれど、コメディであることで助けられた感というか、大岩を軽々と投げるパフォーマンスがあまりに滑稽でだからかえって面白かったです。

 

アトス(宇月颯)

としちゃん!!!今回は三銃士のひとりに抜擢されていて、ポスターにも制作発表にも登場していたのがほんとうに嬉しかったしなによりひげを付けたアトスはさいこうにかっこよかったです。月組屈指のダンサーなのに歌唱でも舞台を締めにいっているその芸達者っぷりには毎度感服させられるし知性あふれる三銃士のリーダーを的確に演じていた...んだけどそんな本編の感想なんてすっかり吹っ飛んでしまうようなフィナーレのとしちゃん...あの前髪で色気振り撒きながら踊るのは大概にして欲しいです...あまりにかっこよすぎてオペラが割れそうでした。

 

ベルナルド(月城かなと)

瑠璃色は観ていなかったので、わたし的にはWelcome月組!なれいこだったんだけどやっぱり悪役は美味しいなーと思うくらいにはどちらかというとみやちゃんより目立つ良い役でした。特にコメディにおける悪役ってのが美味しささらに倍、という感じで、悪を演じながらも壁に執着するその笑いの間と表情が絶妙で、その顔面の美しさと相まってすっごく面白かったです。途中、レイピアを2本持ちしだした時には(どこの蒼紫だよ...)と思ったんだけどこれはもしや小池せんせーからの組替え祝いでしょうか。だとしたらニクいことしますな小池せんせー。

 

アラミス(美弥るりか)

もはや小池作品における色男専科ですな。龍真咲さんをして「まったく役作りしてないでしょ」と言わしめるくらいには美弥るりかの本質そのままに演じているかのようなモテ男っぷりですれ違う女たちをすべてなびかせてしまうその色気には絶対的な説得力と安定感がありました。さすがっす。フィナーレの歌手も小池作品においてはすっかり定着していていまや月組にはなくてはならないひとになりました。しっかし、こんなにセクシーな神父って神様的にいいんですかね...(元も子もない)

 

ルイ14世(愛希れいか)

ちゃぴこほんっとにかわいかったんですけどー!!!ていうかこの作品はちゃぴこありきで持ってきたよねイケコ!?くらいにはどう見てもちゃぴこのために当てられた役だし作品に思えました。そしてそれに応えるだけのアウトプットをしっかりと出してくる安定感がついどうしてもちゃぴこを中心にこの作品は回っているように感じてしまって、なんどか慌てて頭の中で軌道修正するっていう...そんな中、ルイの出で立ちで水色の宮廷服を着たちゃぴこにどこかオスカルみを感じてしまったので、今度月組でベルばらどうですかね。ベルばらは正直お腹いっぱいなんだけど、たまきアンドレちゃぴオスカルはちょっと観劇意欲をそそられるやつなので劇団さんぜひ。ちゃぴこも記念すべきちゃぴブレイク第1回でオスカル演りたい言ってたじゃないですか。当時の某オスカルにさんざんいじられてましたけど...(とおい目)

 

ダルタニアン(珠城りょう)

朴訥で誠実で勇敢なヒーローってのが当て書きかと思うくらいにはたまきに合っていて、今回は(ちゃぴこのことは置いておけば)しっかりと真ん中の人として描いてくれていたのでちゃんとトップさんでした。レイピアでの殺陣のシーンはちょっとハムレットみがあって懐古心をくすぐられたりはしたんだけど、真面目過ぎるほど真面目なたまきが演るコメディがそのギャップもあってかすごく面白くてとてもよかったです。歌はちょっと難しかったのかな?感が残りはしたけどそれを凌ぐほどのヒーローっぷりで、真咲さんの繋いだバトンはしっかりとたまきの手に受け取られたんだなーと思ってちょっとホッとしたりもしました。

 

*****

わかばが今回はすっかりモブだったのがちょっと淋しくもあり、そんな中世代交代を感じさせるようなジョルジュを演じた風間柚乃くんの華とか出来上がりっぷりにびっくりさせられたりもしました。なんだかもう、真咲さんのいた月組がはるか遠い昔に感じられてでもそれが今の月組の成長の証でもあるので嬉しくもありそれでもやっぱりちょっと淋しくもあったんだけど、「ニノさん」に出演した真咲さんがすっかり綺麗な女優さんででも宝塚という出自を誇りに思っているようなそのバラエティへの対応っぷりが嬉しかったので、まさきちゃんが幸せならそれでじゅうぶんだと思いました。

 

てか、今日の夕刊フジ

「子供を持ってみたいので結婚もできれば」

って言うまさきちゃんがあまりにかわいくて夢だらけでかわい死にしそうだったので今日はもうこれくらいにしておきますね!!!まさきちゃんかわい過ぎてほんとむりかわいい!!!(安定着地)

 

*1:グランドホテル

*2:グランドホテル