愛あればこそ

愛あればこそ

宝塚愛をこじらせたヅカヲタの戯言

東野圭吾「ラプラスの魔女」

5月公開予定の映画原作。東野圭吾さん好きとしてはとりあえず。

 

ラプラスの魔女

ラプラスの魔女

 

 

 円華という若い女性のボディーガードを依頼された元警官の武尾は、行動を共にするにつれ彼女には不思議な《力》が備わっているのではと、疑いはじめる。 同じ頃、遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きていた。検証に赴いた地球化学の研究者・青江は、双方の現場で謎の娘・円華を目撃する――。

 価値観をくつがえされる衝撃。物語に翻弄される興奮。 作家デビュー30年、80作目の到達点。

 

「これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。 そしたらこんな作品ができました。」 ――東野圭吾

 

 Eテレピタゴラスイッチ」のからくり?あれが好きで結構この番組見てるんだけど、なぜかそれを思い出しました。目に見えないピタゴラのからくり機をラプラスの悪魔が巧みに操作しているような。

 謙人はまあ、回復のための外科手術の結果としての副産物であったわけだけど、円華はこれ健常な脳に自らメスを入れさせたわけだからな...実の父親にそこまでさせてまで母の命を奪ったにっくき竜巻への復讐を果たしたかったのか...と思うと、その能力を得て竜巻をも予測し得ることになった結末がほんとうに円華の望みを昇華させてくれたのだろうか...っていうことがすっごく心配になりました。

 

 それと甘粕才生と謙人親子の「父性欠落症」。生ける物に対する愛情がまったくないっていうのはすっごい怖くて悲しいことだと思ったし、それが親から子に遺伝するなんてほんとうに切ないことでした。親子の殺し合いの後、最後は自殺をしてしまう才生だけどこれほんとうに自殺だったの???この辺の真相がちょっとあいまいだったのはわたしの読解力が足りない故???

 

 しかしこの映画化のキャスティング、素晴らしくないですか?どこか大人びた不思議ちゃんっぽい円華に広瀬すずちゃん、父親に殺されかけたその復讐のために父親を追い詰める影のある謙人に福士くん。そして事件に巻き込まれながらも俯瞰的に物語を見て事件を解決していく大学教授に櫻井くんって...さいこうだな...

 

評価:★★★★