愛あればこそ

愛あればこそ

宝塚愛をこじらせたヅカヲタの戯言

珠城りょうへつないだバトン ◆ '17・月組『カルーセル輪舞曲』

モン・パリ誕生90周年 レヴューロマン『カルーセル輪舞曲』

宝塚大劇場 2017年1月1日~1月30日東京宝塚劇場 2017年2月21日~3月26日
作・演出/稲葉大地
作曲・編曲/太田健・高橋恵 音楽指揮/上垣聡
振付/御織ゆみ乃・若央りさ・KAZUMI-BOY・桜木涼介・森陽子
主演/珠城りょう・愛希れい

 

月組公演 『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲(ロンド)』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

f:id:whea-t:20170312220200j:plain『モン・パリ』へのオマージュ色が強いからかこれまでの稲葉作品に比べたら稲葉色は若干薄めだったけど、すっかりお馴染みになった森陽子先生とのコラボは今回もあって、思うように自分色に作りこめない中にも一生懸命自身をマーキングしてくる感はさすがの稲葉くんでした。

日本からパリを目指す『モン・パリ』に逆行するかのように今回はパリを出発して日本(宝塚)にたどり着くわけだけど、こうして世界の国々を回る体のショーと言えば忘れもしない『TAKARAZUKA・オーレ!』ですよ...まさきさんもいつぞやのタカスペで「♬オーレオレオレータカラーヅーカオーレー」って歌ってたやつです。天海祐希を主演におきつつあそこまで駄作感出してきたある意味レジェンドな演出家誰だよ...と思ったら期待を裏切らない植爺でした、っていうまああまり関係ないただの余談です。だけどあれを初めて観たときの衝撃があまりにも大き過ぎてどうしても今言いたかった。すっきりしました。お付き合いいただきありがとうございました(一礼)。

 

ていうか幕開きのあの鬘と衣装ってめっちゃまさきさんじゃないですか???もうわたしにはアフロが巣篭りしてるたてがみ風の鬘に忍ばせた電飾をチカチカ点滅させてご満悦に銀橋わたるまさきさんの姿がはっきりと見えてしまうくらいには逆に言ってしまえばたまきにはあまり似合ってなかったんだけど、それでも新トップスターとしてあの衣装と鬘を身に着けて堂々と銀橋をわたる珠城りょうにはあらためて祝意を表したいです。たまき、月組トップスター就任おめでとう。

 

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衣装と言えばブラジル?の場面?のあの巨大な緑の蝶の羽根見て思わず『スイートタイフーン』(画像上)もしくは『PARFUM DE PARIS』(画像下)を思い出したのはわたしだけではないはず。あの巨大な羽根背負って悠々と旗を振っているちゃぴこのなんというか...ラスボス感というか月組の裏トップ感みたいなものが凄かったし同じ光景でもまさきさんの大劇場千秋楽入りのイベントで亀神輿の後ろを“神頼み”旗振ってちょっと覚束ない感じで歩いていたちゃぴことはもはやどっしり感が違いました。まなきさんのレベルアップがここにきて凄まじい。

そういえばお正月のNHKの放送ではこの場面、銀橋に出てきたちゃぴが2列目に座るまさきさんを見つめてにっこにこだったのがしっかり写ってましたね...そして想像するにきっとそんなちゃぴを見てさらに嬉しくてしかたないまさきさんの思わず出てしまった「フォウッ!」な掛け声がしっかり入っていて、まいどNHK様には頭があがりません。ほんとうにありがとうございました。そして白いファーのショールを肩にかけたまま着席してくれたまさきさんのファンサ精神にはこちらも頭が下がります。おかげで映像でも暗い客席の中すっごく探しやすかったですほんとまさきさんってファン思いですね...(感涙)(違)

 

そしてやっぱり思うのが全体的に歌の比重が下がってでもダンスが増えたなーということ。やっぱりトップの特性が直で出るもんなんですねー。まあでも歌える人に歌わせ、踊れる人に踊らせる。それでいいじゃないかと思うにつけ、なんでみつるくん三度も銀橋ソロ歌っちゃったんですかね...みつるくん好きだから月組出てくれるのは嬉しいんだけどもっと正しく使ってあげてください稲葉先生。専科にいったまさおちゃんが他組のショーでソロのダンス(しかも3回)踊ってるところちょっと想像してみてください。ほら...ゾッとしたでしょう今...(※最愛の贔屓です)。

そんな中、ダンサー枠なのにシンガーとしても使われるとしちゃんの万能さにはあらためて頭が下がるし、やっぱり歌もうまいですよねー。急に高音になるのにまったくぶれない歌唱、聴いていて気持ちいいです。ここにきてまた芝居では美味しい役をもらい、ショーではソロをもらってフィナーレも歌つきひとり降りするとしちゃんにはこれからの月組の別格的な立場でおおいに活躍していただきたいです。

ブルーの群舞のところはちゃぴの髪型もダンスの振りもちょっと『Heat on Beat!』のラテンの場面に似ていて、まさきさんの汗でテカテカにされたおでこで幸せそうに踊っていたちゃぴこを思い出して(ああまさちゃぴ...)ってなってしまうのはもうわたしの病気みたいなもんなんで放っておいてくれればいいんですけど、まんちゅーデュエダンの幸せそうな表情には思わず泣かされました。

 

まさきさんの後任として発表されたときからたまきトップかよー大丈夫かよーってずっと思ってたんだけど、たまきの黒燕尾の背中に生えた美しい真っ白な羽根(娘役さんたち)があまりにも夢々し過ぎて、おおきな羽根をいまこそ羽ばたかせようとして未来を見据えているそのたまきの姿があまりにもまぶしくて、龍真咲からしっかりとバトンを受け取って一歩歩き出した珠城りょうの未来への希望に満ち溢れた姿にわたしもここですっかり納得させられました。ビジューのないシンプルな黒燕尾を着てセンターで踊るたまきにしっかりと月組トップスターとしての自信が見えた気がして、珠城りょう率いる月組もきっと安泰だなーと思いました。すっかり宝塚という世界がアウェーなものになりつつあるけど、これはこれからも応援していかないといけないやつですね。

 

 

ところで、話は変わるのですが、開演前の注意喚起のアナウンス、あれうみちゃんですかね?前回まではみくちゃんだったアナウンスが退団を機に今回からはあの声は...うみちゃん?で合ってます?あのたどたどしい娘役のアナウンスを聞くと、ああ宝塚観に来たんだなーという気にさせられて実はあれ聞くの好きです。

 

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