愛あればこそ

愛あればこそ

宝塚愛をこじらせたヅカヲタの戯言

真保裕一「暗闇のアリア」

今年は本を読もうと思います!(宣言)とりあえず、積ん読から。

 

www.kadokawa.co.jp

 

夫は自殺ではない、殺されたのだ。

警察から連絡を受けて、富川真佐子は呆然となる。自殺の状況は完璧にそろっていた。でも、絶対に違う。夫は死を選べるような人ではない。この自殺の背後には、きっと何かある――。真相を探る孤独な闘いが始まった。

警察庁では、真佐子から相談を受けた元刑事の井岡が、内密に過去の事件を調査していく。次々と明らかになる不可解な自殺……。もし、自殺大国と言われる日本で、多くの「偽装された死」があるとしたら?

ついに二人は謎の鍵を握る男の存在にたどりつく。が、彼はすでに異国の地で死んでいた!?

闇にうごめく暗殺者は、なぜ生まれたのか? 国際的スケールで展開する極上エンターテインメント!

 

レアメタルを巡る国際紛争かと思いきや内戦地帯で消えた劇薬の謎かと思いきや裏社会に渦巻く黒い人間模様かと思いきや、結論:親の復讐だった、っていうなんというか、大風呂敷広げたわりには結局それかよ、みたいなちょっとした残念感が残るやつでした。

主人公真佐子の夫と冷え切った関係になっているにもかかわらず夫の自殺を否定し躍起になって真相を追い求めようとする姿は単に夫の疑惑を晴らそうという使命感の域を超えてちょっと狂気の沙汰にも見えたし、共に真相を追う井岡の過去の描写もちょっと不明瞭だったかなー。あとあまりに登場人物が多すぎてわたしのうっすい頭では理解しきれない!

 

そして最後の獲物を狩られるタイミングをわかっていながら防げなかったこともそんな真犯人を最後まで捕まえられなかったこともなんだよーと思いつつ、ラストの含みのある終わり方に持っていくための伏線だったのかなーと思うとなるほど...と思わされるやつでした。

 

読み進めるには易く、理解するには難い本でした。

 

評価:★★☆☆☆