愛あればこそ

宝塚愛をこじらせたヅカヲタの戯言

雪組の太陽・早霧せいな伝は大爆笑で閉まりそうです ◆ '17・雪組『幕末太陽伝』

ミュージカル・コメディ『幕末太陽伝

宝塚大劇場 2017年4月21日~5月29日東京宝塚劇場 2017年6月16日~7月23日
脚本・演出/小柳奈穂子
作曲・編曲/手島恭子
音楽指揮/佐々田愛一郎
振付/花柳寿楽・若央りさ
殺陣/清家三彦
装置/大橋泰弘
主演/早霧せいな・咲妃みゆ

雪組公演 『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)』『Dramatic “S”!』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 

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蓋を開けてみたら87期はさして成績の良くなかったふたりがトップスターになるっていう、宝塚って成績(実力)がすべてではないのよねーというのを体現した期ではあったけど、その分87(華)の期だけあってふたりとも色は違えど備わった華は個性的でまぶしいものがありました。5作という任期が長いのか短いのかよくわからないけど、作品に、相手役に、そして二番手に恵まれた早霧せいなの宝塚トップ人生はとても充実した、輝かしいものになるであろうと思います。

そんなちぎちゃんの退団公演がやっぱり日本物でしかもコメディってところがちぎちゃんらしくていいなーと思いつつ、最後くらいトップスターらしい華やかな作品にしてあげてもよかったんじゃ...という、お前ナニサマだよ的な思いもありつつの観劇でした。

そういう思いもあるからなのか、はたまた原作も、映画も、元となった落語も知らない中での観劇だったということもあってストーリーをちゃんと追えていなかったからなのか、まあ歯に衣着せずに言えばちぎちゃんのラストステージを飾る舞台にしてはイマイチだったかなーという印象です。

 

爆笑の舞台は傑作でした!

...って、言ってること違うやんか!というツッコミは右から左へ流させていただきますが、すっごい面白い舞台でした。吉本新喜劇に例えては失礼なのかな...(って言ってる時点で吉本に失礼ですね失礼しました)でもあの貪欲に笑いを取りに行く感じと期待を裏切らない笑いの転結が面白すぎて、オチがわかっていてもつい声に出して笑ってしまうくらいの面白さでした。まあちぎちゃんがこういうの上手いのはもう想像つくんだけど、おっとり癒し系なみゆちゃんが繰り出す笑いの間があまりにも絶妙過ぎてだから余計に面白かったです。さすが宝塚屈指の役者ですね。鳳翔大さん演じる貸本屋の金ちゃんとの心中場面はほんと腹抱えて笑いました。

だからお芝居としてはとっても面白くて佳作だと思うんだけど、どうしても今自分が座っている客席がどこの劇場なのか一瞬わからなくなってしまうような残念感があったのは否めず...これ、あえて宝塚で演る必要ありますか?愛と夢をお届けするきらびやかで華麗なステージで演る演目ではやっぱりないと思うしましてやトップコンビのサヨナラ公演にもってくるなんてどうなんでしょうか...劇団さん...そして小柳センセ...

 

サヨナラ色もほとんどなく

こういうのってトップさんの意向が反映されるのかもしれないけど、ほぼサヨナラ色のない作品でした。途中で「今の環境を飛び出して別の世界に行きたい」みたいなセリフや歌はあって(ああ、ちぎみゆ...)とは思ったけど、直近で観た某サヨナラ公演でいうところの「まだここでやり残したことがあるのであろう...暴れてこい!」とか「さぁ、参ろうか!」みたいな二番手への引継ぎセリフや最後の決めセリフが薄かった印象。でもまあ、みゆちゃんとふたり新たな地で生きていくと言って仲良く銀橋を渡って去っていくちぎちゃんはそれはそれでちぎちゃんらしいなーとも思ったのでまあちぎちゃんとちぎちゃんファンの方たちが幸せならそれでよいしサヨナラ公演って結局そういうもんだからね...(昨年のちょうど今ごろを懐かしく思い出しつつ)。

 

群像劇ってやっぱりおもしろい

この作品を宝塚で演ることの是非は引き続き問うていきたいとは思いますが、作品そのもの、そして演者のみなさんは本当に素晴らしかったです。やっぱり群像劇って面白いなーと思うのはそれぞれがそれぞれの場所でひとつのストーリーを奏でているところに佐平治という横串を通すことで表裏一体の大きなストーリーが見えてくるところ。望海さん演じる高杉晋作の攘夷への企ても、彩風さん演じる相模屋の息子と真彩希帆ちゃん演じる女郎に売り払われたおひさとの逃亡劇も、そして相模屋に居残った佐平治と女郎おそめの恋物語も、そこだけを抽出すればそれぞれが絡むことはないはずなのに、佐平治が鼻歌を歌うがごとくゆるやかにそれらを繋げていくその感覚がわたし的にはやっぱりすごく好きなやつみたいです。

 

相模屋を囲むゆかいな面々

女中おひさ(真彩希帆)

Welcome雪組!!みゆちゃんの後を継いでだいもんの相手役として次期トップ娘役に内定しているまあやちゃんの演じるおそめは黄色い着物がよく似合っててとってもかわいかったし、祭りの場面で咲ちゃんと歌うその歌声が鈴を転がしたようなきれいな歌声で早速癒されました。やっぱり私はエエ声の歌うまさんに弱いんだなーと思い知らされたわ...

 

倉造息子清七(永久輝せあ)

ひとこたん!!!ひとこたんはどこ!?と探しまくってたら冒頭は相模屋の2階で踊ってたんだけど1階に下りてきたひとこは父親とあんりを取り合った揚句佐平次のお涙ちょうだいな似非話に父子してまんまと乗せられておいおい泣きながら帰っていくちょっとおバカなお役。祭りの場面で青い風車をふーふーしているひとこはソーキュートだったけど出番的にはあんまりだったかなー...と凹んでたらショーではそれを挽回するかのような使われようで全私が歓喜することになるんだけどこの時は露知らず。

 

女郎こはる(星乃あんり)

女郎あんりはほんと眼福でした!赤いお着物が似合っててほんとかわいくてこんな美女辞めさせちゃっていいのかよ劇団!くらいにはもう次からはあんりを観れないという事実が思いの外深く突き刺さりました。みゆちゃんとのキャットファイトは本当にかわいかったわー。

 

貸本屋金造(鳳翔大)

大ちゃんもこれが退団公演です。まあ最後にして心中に道連れにされてひとり海に突き落とされるのに「金ちゃんだからいいんじゃない」と言わしめるお役ってのがやっぱり大ちゃんだなーと思ってちょっと嬉しかったです。中の人のチャラさと長身からしてもっとイケな役が出来そうだけどこういう役を割り当てられてしまう大ちゃんのキャラ、わたしはだいすきです。

 

息子徳三郎(彩風咲奈)

相模屋の息子でおひさの恋人。...なんだけどちょっと存在感薄かったかなー。ってかまあやちゃんと一緒にいることが多いからわたしがどうしてもまあやちゃんの方見ちゃうゆえなのか...咲ちゃんもきっと次からは二番手羽根背負うことになるんだろうなーと思うとなんだか感慨深いものがありますね...

 

高杉晋作(望海風斗)

攘夷への企てを図り異人館を焼打ちにしようと躍起になる晋作のもとにいつもタイミング良く(悪く)現れる佐平次にまんまと乱されてしまうちょっとおかしな晋作で、でもそんな佐平次を見込んで異人館の絵図面を入手させるその手腕はさすがの晋作だなーと思わされるそのギャップがよかったです。

 

女郎おそめ(咲妃みゆ)

借金抱えた女郎なのに客を選びまくるちょっとお高いみゆちゃんのおそめはめっちゃキュートだったしなによりほんとに笑いのセンスが素晴らしかった。真顔で放つセリフがその表情や間によってさらに可笑しさ倍になっていてさすがのみゆちゃんだなーと感心したし、いのさんにちょっとずつ惹かれていく感じもうまくて、最後一緒にアメリカに行けてよかったね...ちぎちゃんと添い遂げられてよかったね...とおそめさんと中の人一緒に祝福してあげたくなりました。

 

居残り佐平次早霧せいな

やっぱり最後がこれでいいのかーーー!!!ってのはあるんだけどさすがのちぎちゃん、安定したコメディの間だし表情だしセリフ回しだしで、さいこう過ぎてもうなにも言うことありません...黙って立っていればクールなイケメンでしかないちぎちゃんがそのビジュアルとは真逆の佐平次という役に注いだ愛情がいつまでもちぎちゃんの中でさいこうの思い出として残りますようにと願わずにはいられません。

 

 

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次は(当選していれば)千秋楽のライブ・ビューイングを観に行きます。ちぎちゃんへのお花渡しがまさきさんであることをちょっとだけ期待しつつ。